国際通信社グループ、報道通信社が発行している「報道ニッポン」(2008年1月号) に掲載されました。(2007年10月取材)

特別企画「再生日本」企業家たちの横顔に迫る
こまめな現場改善とサービス向上で成長し続ける倉庫会社

昭和25年創業の「藪吉倉庫」。上田社長は平成7年に同社に入って以来、積極的に改革を進めてきた。
そしてその全ての取り組みはプラスに転じ、会社としての成長につながっているのだ。
そんな同社を渡嘉敷勝男氏が訪れ、社長にお話を伺った。

渡嘉敷 まずは社長の歩みからお聞かせ下さい。

上田 大学では経営学を学び、トヨタ自動車に入社しました。経理部をはじめ、様々な部署で勉強を重ね、カナ ダとイギリスへの海外赴任も経験しました。そして帰国後に妻の家業である「藪吉倉庫」の先代社長 から「会社 運営を手伝って欲しい」と頼まれ、思い切って平成7年に転職しました。そして同14年、社長 職に就きました。

渡嘉敷 倉庫業ということですが、どのようなものを扱っておられるのですか。

上田 私が入社した当時はカーペットメーカーと物流会社の2社が主な取引先で、カーペットや寝装品な どの繊維商品を中心に扱っていました。しかし、さらに競争力を維持すべく倉庫を大改造し、トラックの出 入りなどがスムーズに行えて地域の皆さんにとっても安全性が確保できるようにしたのです。この取り組 みが功を奏し、現在は新規の会社ともお取引をさせて頂き、コンテナ貨物も扱っています。また平成9年 には、遊休地に賃貸マンションも建設しました。

渡嘉敷 その他に、社長が行ってこられた改革はありますか。

上田 はい。社員からの提案がきっかけで、お預かりしている自動車用マットの原反をただ保管して引き 渡すのではなく、カット及び梱包の工程を当社で行えるように新たな機械を導入したのです。お客様からは、 「忙しいときに融通が利いて、助かる」とのお声を戴いています。また、平成18年秋にはコンテナのプラッ トホームを新設しましたので、重量貨物も受け入れられるようになりました。当社のような中小規模倉庫でこ れほどの設備を整えているところは少なく、とても重宝されています。(平成22年9月よりカーペットのミシン加工業務も開始)

渡嘉敷 では、経営者として心掛けておられることは?

上田 社員が働きやすい職場づくりですね。サラリーマン時代の経験を活かして現場の声を採り入れ、積極的に問題を改善してきました。新たな改革で設備投資などを行う際も、必ず現場の状況を熟知している者と相談してから決めてきたのです。

渡嘉敷 そうして現場を改善されてきた結果、顧客満足や新規顧客の開拓にもつながったのですね。では今後の展望をお聞かせ下さい。

上田 ここ数年で周囲に住宅が増えるなど以前とは環境が変化し、倉庫業の拡大は難しくなってきました。ですから将来的にはこの土地に福祉施設などを誘致し、社会に貢献することも視野に入れているのです。全く未知の分野ではありますが、私自身も専門学校で社会福祉士の勉強をしながら準備を進めています。「新しいことにチャレンジする気持ち」を大切に、クリスチャンとして「いつもベストを尽くし、結果は神に委ねる」ことを心掛けていきます。また、陰で支え励ましてくれる家内の七重には本当に感謝していますので、その気持ちをいつまでも忘れずにいようと思います。(平成20年8月に七重夫人は病のため召天)